カルバペネム耐性腸内細菌?
あまり聞きなれないことばですね。
米疾病対策センターによると、カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)
の院内感染が問題になっていて感染した場合の致死率は
40~50%といい、とても深刻な状況だと注意喚起しています。
このカルバペネム耐性腸内細菌(CRE)について調べてみました。
そして、日常生活での注意点について考えてみました。
カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)とは

(Klebsiella pneumoniae/CDCホームページより)
イミペネムやメロペネム、ドリペネムなどのカルバペネム系抗生物質は、重篤な感染症の治療薬として最後の切り札的抗菌薬である。腸内細菌に対する効果は抜群であるが、数年前から治療の失敗が報告されていた。
原因はカルバペネム系抗菌薬に対し耐性を獲得した、肺炎桿菌や大腸菌、さらにその仲間の腸内細菌科に属する細菌である。
死亡率は40~50%
発表によると、過去10年間でカルバペネム耐性の腸内細菌科の細菌が1.2%から4.2%に、特にクレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumonia、肺炎桿菌)に限ると1.6%から10.4%へと増加。
また2012年上半期では、短期急性期病院の3.9%、長期急性期病院の17.8%でCREによる感染症が発生したという。
死亡率は非常に高く、血流感染を起こした場合の死亡率は40~50%。
これまでのところ、CREは病院だけで発見されている。だが、CDCは外来エリアへの感染拡大の可能性を否定していない。
感染の拡大を食い止めるために、医療機関に対し、手指衛生などの対策や、患者に対するCRE検査、感染者の隔離、外部との接触制限などの徹底を求めている。
抗生物質には、カルバペネム系、ペニシリン系、ペネム系、セフィム系
など10系統以上あります。
CREとは、「Carbapenem-Resistant Enterobacteriaceae」の略で、
最後の切り札的抗菌薬であるイミペネムやメロペネムなどの
カルバペネム系抗菌薬に対し耐性を獲得した、肺炎桿菌や大腸菌、
その仲間の腸内細菌科に属する細菌のことだそうです。
抗生物質の効かない構造に進化した細菌のことなんですね。
抗生物質を多用すると、耐性のある細菌に変わるといいますね。
多くの抗生物質を複合的に使用すると、多剤耐性菌になってしまう
そうです。
そもそも、抗生物質は微生物の発育を阻害する化学物質として
発見されました。
最初の抗生物質ペニシリンは1928年アオカビから発見されていますね。
多剤耐性について
多剤耐性とは、微生物が複数の薬剤にたいして、
耐性をもつことなんです。
耐性をもつと、今までその疾患に対して有効に効いていた薬剤が
効かなくなってしまうということですね。
今まで、病原体が耐性を獲得するのは、
突然変異するためとされていましたが、現在では薬剤に対する耐性を
持ったDNA分子の伝達も要因のひとつと考えられているようです。
ただ、多剤耐性菌は、健康な状態では皮膚や粘膜の表面に付いて
体の中にはいったとしても、病気になることはありません。
私たちの身の回りにある、常在菌と同じで、
からだの免疫力が落ちたとき、感染してしまうのです。
多剤耐性菌には、抗生物質が効かないため、治療が難しくなります。
- 多剤耐性菌は海外で感染することも
日本国内だけでなく、海外の医療施設でみつかった耐性菌が
持ち込まれることもあります。
多剤耐性菌が問題になっている地域に渡航され、
体調不良を発症した場合は、早めに受診し渡航先などを医師に話してください。
- 消毒方法
腸管出血性大腸菌(O-157など)やサルモネラ菌など
食中毒を起こす菌の消毒と同じようにアルコール殺菌や、加熱消毒が有効です。
耐性菌大繁殖への警告
抗生物質は10系統以上あるそうですが、一番心配されるのは
耐性菌が大繁殖することで、抗生物質もさらには、
「組み合わせ投与」も効果がなくなってしまうことです。
今まで、切り札とされていた抗生物質などの薬剤が効かないと
もう、お手上げの状態になってしまいます。
私たちにできる対策はないのでしょうか?
私たちにできること

私たちにできることはと考えてみると、
免疫力を落とさない食生活で、身を守ることかなと思います。
人の体の全免疫システム全体の70%が腸に集中しているといわれています。
そのためには腸内環境を整えることで、NK細胞をはじめとする
免疫機能を健康にすることが大切。
身体の免疫機能が正常であれば、
感染症だけでなく、そのほかの疾患にもかかりにくくなりますものね(゚ー゚)(。_。)
さらに、病気にかかったときも、軽いものであれば
安易に抗生物質を使わないことなども、心がけるといいのではと思います。
腸内環境を健康にするためには
腸内には、悪玉菌、善玉菌、日和見菌がいますが、
健康な腸内菌のバランスは、善玉菌20%、悪玉菌10%、日和見菌70%。
善玉菌の代表はビフィズス菌、それに次いで乳酸菌なんです。
人がもともと持っているビフィズス菌が好む
エサになる食事をすることと、
適切な睡眠と休養でストレスをコントロール!
健康な腸内環境をつくることができると
免疫機能が活性化し、様々な感染症にもかかりにくく
なりますね!
腸内環境を整えるには、こちらもとっても有効です♪