『 関西国際空港で麻疹(はしか)集団感染 』!!
麻疹(はしか)といえば子供の頃にかかる感染症。
なぜ今、集団感染なのかと疑問に思ってしまいますね。
そして、「麻疹(はしか)だったらすぐ治るよね;」と
考えていると、取り返しのつかない結果になることも!
麻疹(はしか)に注意が必要なわけは脅威の感染力.
さらに、乳幼児も大人も重症になる可能性もあるからなんです!
今回は、情報番組キャストで取り上げられていた麻疹についてご紹介します!
今回の麻疹(はしか)の感染経路は?
出典:キャスト
発端は、7月下旬に国外から入ってきた麻疹ウイルスに6人が感染しました。
そのなかの一人の方は、千葉で行われた大規模なコンサートに参加。
厚生労働省は同じ会場にいた2人にも麻疹の症状がでていると発表。
さらに、関西空港では最初に感染していた20代の職員から感染が広がり、合計31人が麻疹と診断されました。
感染が拡大しているという麻疹とはどのような疾患なのでしょうか?
麻疹(はしか)とは?
麻疹(はしか)は世界中で見られる感染症でウイルスにはいろんな型があるそうです。
今回の感染も、同じ型ということが確認されています。
そして、麻疹は脅威の感染力をもっているのです!
麻疹は麻疹ウイルス(Paramyxovirus科 Morbillivirus属)によっておこる感染症で、人から人へ感染します。感染経路としては空気(飛沫核)感染のほか、飛沫や接触感染など様々な経路があります。感染力はきわめて強く、麻疹の免疫がない集団に1人の発症者がいたとすると、12~14人の人が感染するとされています(インフルエンザでは1~2人)。
出典:http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/QA.html
麻疹は空気感染や飛沫感染で、感染力が強いです。
咳によって空気中に出たウイルスは2時間くらいは感染力をもって部屋の空気中を漂っているそう。
なので物についたウイルスを触り、口や鼻から感染するよりも空中を漂っているウイルスからの感染が多いとされます。
感染力が強いので、発症者の近くにいた場合、麻疹の免疫のない人では90%以上の確率で感染するのです。
麻疹は空気感染なので、その感染力はインフルエンザの10倍以上とも。
なので、マスクも手洗いもあまり効果がないのです<(゚ロ゚;)>
そんな麻疹の症状を確認してみましょう。
麻疹(はしか)の症状
出典:キャスト
淀川キリスト教病院
谷 均史先生の解説です。
免疫がない人は、ほぼ全員がかかってしまうという強烈な感染力です。
麻疹の潜伏期間は約2週間。
そのあとに、38℃の発熱と鼻水・目ヤニがあるので、風邪をうたがってしまうことも。
約5日目には、熱が少し下がり治ったかなと思いますが、数時間後にまた、39℃以上の高熱がでます。
そして2回目の発熱から、体に発疹が出始めます。
口の中にも麻疹特有の、コプリック班という白い斑点が出ます。
これで麻疹と診断されることも!
治療法では特効薬はないため、対症療法で自然治癒を待つことしかできないのが現状です。
では、今回の麻疹感染拡大を予防する方法はあるのでしょうか?
麻疹(はしか)感染を防ぐ予防対策は
麻疹(はしか)の予防対策は『 ワクチンを接種する 』ことしかないのが現状です。
さらに発病した場合も、治療する薬はなく対症療法しかないのです!
そして過去に、麻疹に罹っている場合は免疫ができているため感染者と接触しても麻疹にはかかりません。
ですが、麻疹に罹っていなかったり、ワクチン接種が1回で、免疫が獲得できていないと感染する恐れがあるのです!
「麻疹に対する免疫がないかも?」と不安ですね。
そんな場合はまず、麻疹(はしか)の抗体を確認するため、医療機関で検査をおこなってみてください。
そしてもしも抗体がなかったら、ワクチンを接種し、抗体を獲得すると万全です。
また、感染者と接触しても72時間以内に麻疹ワクチンを接種すると万が一発症した場合でも症状を軽くすることができるのです。
もしも72時間を過ぎてしまった場合でも6日以内であれば、ガンマーグロブリンを接種すると、軽症化できるそうです。
ガンマグロブリンというのは人の血清から、いろいろな種類のウイルスに対する抗体(ウイルスをやっつける蛋白質の一種)を取り出したものです。
もちろんはしかの抗体もたくさん含まれており、これを注射することにより、生きたはしかのウイルスが入ってきてもそれをやっつけることで、はしかが軽くなるというものです。
ガンマグロブリンは感染後4~6日までに使用すると、発病予防ないし、軽症化に有効であるといわれています。
それ以後に使用してもあまり効きません。効果があるという意見もあります。
出典:http://senoopc.jp/drug/gamgl.html
麻疹(はしか)の致死率は1000人に1人といい決して、侮れない病気なんです!
ぜひ、予防対策をしましょう。
番組では、熱がでて体に発疹ができるという麻疹と紛らわしい病気について解説いただきました。
麻疹とその他の感染症の違い
出典:キャスト
発熱があって体に発疹がでる感染症は
麻疹以外にも、風疹・水ぼうそう・おたふく風邪
とありますね。
それぞれについて、解説いただきました。
麻疹(はしか)
[症状]
高熱・目ヤニ・発疹
[注意]
成人の場合:脳炎
乳幼児の場合:中耳炎
1歳児のワクチン接種率が50%と低いため
乳幼児が感染し発症してしまうと死亡する場合も!
今も毎年数十人が亡くなっています。
0~4歳児が大半です。
風疹(ふうしん)
[症状]
微熱・全身に淡い発疹・3日で治まる
三日麻疹とも言われます。
[注意]
免疫のない女性が妊娠の初期にかかると
母親を通して胎児が麻疹に感染。
出生児に先天性風疹症候群といわれる
障害を引き起こす可能性があります。
水疱瘡(みずぼうそう)
[症状]
38℃以上の発熱
液体を含む水疱
[注意]
成人:重症化し、脳炎や肺炎になることも。
自己判断で解熱鎮痛剤のアスピリンを服用し
ライ症候群という合併症を引き起こす場合もあり
注意が必要です。
乳幼児:肺炎や脳炎など重症化することも。
おたふく風邪
[症状]
38℃以上の発熱
耳の下の腫れ
[注意]
子供:難聴になることも。
成人男性:精巣炎(4人に1人の確率)
不妊症の原因になることも。
成人女性:卵巣炎(10人に1人の確率)
妊婦の場合、胎児への影響はありませんが
流産してしまうことも。
まとめ
感染が拡大している麻疹(はしか)についてみてきました。
日本でも、毎年乳幼児を中心に数十人もが亡くなっているという現実があり、ワクチンの重要性を再認識!
さらに世界では深刻な状況で2006年では、推定で24万2000人もの人が亡くなっているのです!
情報を十分に取り入れて事前に予防をしたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。